岐阜大学医学系研究科・医学部


MENU




学内組織




学内専用ページ


VOICE -岐大医学部から- 学務委員長からのメッセージ

[ 最新の記事 ]   [ 過去の記事一覧 ]

『VOICE-岐大医学部から-』第19回は、医学系研究科 学務委員長の医学系研究科 分子・構造学講座 分子生理学分野 教授 惠良 聖一先生にお話を伺いました。

■ 学務委員長として、どのような事をされていますか?

惠良教授
略 歴
1975年 岐阜大学医学部医学科卒業
1981年 岐阜大学大学院医学研究科修了
1982年 岐阜大学医学部 助手(生理学第二)
1984年 岐阜大学医学部附属病院 講師併任
1986年 岐阜大学医学部 講師(生理学第二)
1988年 米国 Boston University School of Medicine, Department of Biophysics 留学
1990年 岐阜大学医学部 教授(生理学第二)
2004年 4月より現職
分子生理学分野Webページ

学務委員会は、かつての『博士課程委員会』に対応した委員会と言えます。従って、医学科の学部学生ではなく、大学院の医科学専攻・再生医科学専攻の大学院生に対して、入試やシラバスや単位認定などに関する事を協議します。そして最終学年になった大学院生に対しては、学位審査の手続きなどに関する業務を行っています。

本学では、卒後臨床研修制度が必修化になった2004年頃から、医学科を卒業した学生の大学院への入学者が減ってきています。

元々、医学科卒業生の志向は、大学院に入学して研究をするというよりも、臨床医として研修を積んで専門医を取得するという傾向が強かったのですが、卒後臨床研修制度の必修化により、その傾向に益々拍車がかかったのではないかと思います。

本学の大学院には、日中は病院などで勤務しながら、夜間に大学で研究をするという社会人学生が多く在籍しています。大学院生の最終目標は、英文雑誌(査読有)への論文掲載ですが、社会人学生が4年でこの目標に到達するには少々ハードルが高いかもしれません。

また、年齢や経済的な理由から、なかなか大学院に進学することが難しい方もいらっしゃるかと思います。しかし、本学には長期履修制度というものがありますので、この制度を利用しながら無理なく計画的に研究を行って欲しいと思います。

その一方で、再生医科学専攻の定員充足率は高く、医学科卒業生だけではなく工学部などを卒業した学生も入学しています。

我々としましては、医学科卒業生が大学院生として入学し、少しでも研究に従事してくれることを望んでいるのですが、現状では大学院のみならず、附属病院でも臨床研修医の確保が逼迫している状況でありますので、悩ましい限りです。


■ 臨床医ではなく、基礎医学研究の道に進まれたきっかけは?

惠良教授

小さい頃から、研究者以外の道はあまり考えていませんでした。

研究者になって、生命科学を研究対象にしたいと思っていましたので、高校時代には理学部か医学部か迷いましたが、体の中で起きている化学現象や生命現象を追究したいという気持ちが強かったので、結局医学部に進学しました。

岐阜大学に入学して3年生の時に、当時の生理学教授の曽我美 勝先生(岐阜大学名誉教授)の授業を受けたのですが、難しくてなかなか理解ができませんでした。しかし、分からないなりに学問的な魅力を感じていました。

卒業間近になって具体的な進路を考えるに当たって、基礎か臨床かという迷いもありましたが、やはり生理学や生化学といった機能系の研究がしたいという強い気持ちが働いて、大学院生として曽我美研究室で研究を続け、現在に至っています。


■ どのような研究を行っていますか?

タンパク質は、我々の細胞の中で生命現象の直接の担い手になっています。タンパク質と一口に言っても体内には何百種類とあり、それら全部を対象として研究することはできませんので、我々は、血液中のタンパク質である血清アルブミンの構造・機能・病態生理を研究をしています。

アルブミンは、体内では3/4が還元型アルブミンとして、1/4が酸化型アルブミンとして存在していますが、アルブミンを体外に取り出しますと還元型・酸化型の比率が半分半分になってしまいます。この状態でアルブミン製剤などの薬剤が作られ、患者さんへ投与されているわけですが、このようなアルブミン製剤が、薬剤としてどの程度有効であるかどうかに関する基礎研究を行っています。

また、アルブミンはビリルビンや脂肪酸と結合して体内に存在していますが、これらの物質との結合の度合いが、本来のアルブミンの機能にどのような影響を及ぼすかという研究も行っています。

タンパク質の構造を研究するときに、NMR(核磁気共鳴)などの大型の測定装置を用いますが、その際に、タンパク質の周りの水分子の挙動が問題になってきます。

すなわち、水分子の挙動は、タンパク質分子表面の最近接層では非常に束縛されて動きが不自由ですが、離れるにしたがって自由に動ける水分子になります。この動的な挙動の違いを見えるようにしたものが、NMRを原理にしたMRI(磁気共鳴画像法)の画像になります。

がんなど組織の病変に関連して、生体内のタンパク質や脂質などの生体高分子と直接相互作用している水分子とその周りの水分子とでは、動的挙動が微妙に違うことが徐々に分かってきましたので、現在我々は、これらを臨床応用できるような新しいMR画像法の研究開発(交差緩和イメージング法)に着手しています。


■ 医師を目指す学生にメッセージをお願いします

惠良教授

今も昔も医学研究は、研究をしようとする若い医学生の熱意と努力に掛かっています。

臨床医学の発展には何といっても基礎研究が根底にありますので、少しでも多くの医学生が、単に臨床医としての研鑽を積むのみではなく、少しでも基礎研究に従事し、その結果として、リサーチマインドを身につけた臨床医がこの岐阜大学から多く育ってくれればと願っています。



問合せ先  〒501-1194 岐阜市柳戸1番1  岐阜大学 医学系研究科・医学部   電話:(058)230-6000
Copyright © 2009-2015 Gifu University School of Medicine. All Rights Reserved.