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2019.05.19

「メチル水銀暴露(水俣病)による血管障害」についての総説

先日,岐阜大学で新潟水俣病の講義を行いました.地域的に馴染みが薄く,かつ過去の病気と考えていた医局の先生方は今なお後遺症に悩む患者さんが多い状況に驚いていました.実はメチル水銀中毒は中国,ブラジルなどの発展途上国で,金採掘に伴い今も散発的に生じています.また魚介類摂取に伴う低濃度曝露が胎児や小児に悪影響を及ぼす可能性や,成人でも心疾患や動脈硬化のリスクとなる可能性も指摘されています.つまり,メチル水銀中毒は古くて新しいテーマと言えます.下畑らは新潟大学脳研究所において,メチル水銀の中枢神経障害メカニズムと治療アプローチを約10年にわたり検討してきました.新潟を離れ,研究を後進に引き継いだため,ともに研究に取り組んだ高橋哲哉先生(西新潟中央病院)と,これまでの研究の総括となる「メチル水銀暴露による血管障害」に関する総説をInt J Mol Sci誌に発表しました.下記リンクから原文をDLできますし,ブログには要点を記載しました.ご一読いただければ幸いです.

論文(フリー)

https://www.mdpi.com/1422-0067/20/10/2435

ブログ

http://morimo2.info/TeLI

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