米国神経学会年次総会のためフィラデルフィアに滞在しています．学会の一番のおすすめはプレジデント（会長）による講演です．世界のNeurologyの直面している問題や進むべき方向性が示される格調高いものだからです．5年前，同じフィラデルフィアで行われた会長講演は，脳神経内科医を取り巻く環境が非常に厳しいものであることを指摘する悲壮感漂うものでしたが，その後，燃え尽き症候群対策やリーダーシップ教育などの変革を成し遂げていくきっかけになりました．今年のSacco会長の講演は「Neurology, Challenges, Opportunities, and the Way Forward」というタイトルで，学会が取り組むチャレンジとその結果得られたチャンスを紹介する素晴らしいものでした．詳細はあらためてご紹介しますが，今後のチャレンジのひとつに，脳神経内科医を増やし，国内・国外の医師偏在の是正を目指すことがあります．そのためにNeurologyの現状を知っていただく動画が作成されました（YouTubeで公開）．ぜひ多くの医学生にご紹介いただきたいと思います．