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2019.04.21

新たな髄膜脳脊髄炎「自己免疫性GFAPアストロサイトパチー」についての検討

髄液抗GFAPα抗体が陽性となる新たな髄膜脳脊髄炎「自己免疫性GFAPアストロサイトパチー」が報告されています.しかし本邦における検討は十分ではないため,当科が経験した炎症性中枢神経疾患225例の検討を木村暁夫准教授が中心になり行いました.抗体陽性例は14例(6.2%)とNMDA受容体脳炎と同等で,決して稀な疾患ではないことが分かりました.さらに今回新たに(1)運動異常症(振戦,ミオクローヌス,小脳性運動失調など),排尿障害,低Na血症を合併すること,(2)髄液細胞増多は数ヶ月持続し,急性期に一過性のADAの上昇を認めうること.(3)画像所見として,傍脳室部の線状・放射状の造影所見以外に,視床後部の異常信号を呈することを示しました(図).免疫療法への反応性も良好で,適切に診断すべき疾患と考えられます.詳細はブログを御覧ください.
Kimura A et al. J Neuroimmunol 2019;332:91-98.

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