コラム

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2018.09.28

脳神経内科で最も重篤な病態のひとつ,C-NORSE

NORSE(New-onset refractory status epilepticus)について議論しました.健康な人に突然発症する治療抵抗性てんかん重積状態です.重篤で,てんかん重積発作を止めることが困難になります.多くは原因不明ですが,原因が判明した症例で最も頻度の高いものはNMDA受容体脳炎です.北里大学の飯塚高浩准教授らはNMDA受容体脳炎と原因不明のNORSE(Cryptogenic NORSE:C-NORSE)を比較し,C-NORSEの特徴として以下を報告しています(Neurol Neuroimmunol Neuroinflamm 2017;4:e396).

  1. 抗てんかん治療薬に高度に抵抗性を示す

  2. てんかん重積発作の発症以前は健康であった

  3. 原因不明の高熱が先行する

  4. 発症前に精神行動異常や記銘力障害は認められない

  5. 持続する口部顔面四肢ジスキネジアは認められない

  6. 対称性の拡散強調画像・T2/FLAIR高信号病変(図)

  7. 血清・髄液に既知の抗神経抗体が認めない

  8. その他の原因が除外されている

このうち1から6をC-NORSEスコアとし,1と2を絶対条件とし,5点以上でC-NORSEを臨床的に疑います.早期からのシクロフォスファミド静注の有効性が議論されてます.

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