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2018.07.17

症候性REM睡眠行動障害@日本睡眠学会第34回定期集会(札幌)

スタンフォード大学医学部睡眠生体リズム研究所西野精治所長にお声がけをいただき「睡眠障害の神経生物学:動物実験から臨床研究」というシンポジウムにて「症候性REM睡眠行動障害」について講演いたしました.スライドをご覧ください.とくに強調したい点は以下のとおりです.

  • RBDの原因は100%がαシヌクレイノパチーというわけではなく,PSPやMJD/SCA3といった他の神経変性疾患でも合併しうること.
  • RBDを合併したαシヌクレイノパチーでは,PDでは認知機能障害の早期出現に,DLBでは運動症状の早期出現に注意すること.
  • 将来のαシヌクレイノパチー発症リスクに関する真実告知は適切なタイミング(症状コントロール,信頼関係の構築)で行い,さらに責任を持って経過観察すること.
  • 50歳以下では十分な鑑別が必要で,薬剤・中毒,ナルコレプシー,脳幹器質的病変(橋・延髄の脳卒中・腫瘍・自己免疫疾患など)等を鑑別すること.
  • RBDの責任病変として,青斑下核と辺縁系が推定されていること.

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