コラム

神経所見・検査所見

2020.02.09

ペンシル型(atraumatic型)の腰椎穿刺を使っている先生はおりますか?

最新号のEur J Neurol誌で,腰椎穿刺後頭痛(PDPH)の予防に関するランダム化比較試験が出ています.25Gの従来のもの(cutting needle;図右)と,25Gないし22Gの新型=ペンシル型(atraumatic needle;図左)の比較です.1000回の穿刺を3群に割付けています.結論として25G新型のPDPH発生率は22.2%と最も少なく,従来型同サイズの32.8%より顕著に低下し,オッズ比0.58 (p=0.002)でした.また同じ新型でも細い針のほうがPDPHを減らします(オッズ比0.65;p=0.017).新型は髄膜に開く穴が小さくふさがりやすいのだと思います.ただし層別解析をすると,新型の効果は40歳以上に限られます.当科は従来型を使用していますが,ときどきPDPHを経験します.ペンシル型に切り替えるべきでしょうか?メンバーからは,ペンシル型で髄液圧を正しく測定できるのかという声があり,また私のよく知る麻酔科医は「ペンシル型は麻酔科領域では周知だが,切れ味が悪いので嫌だ」と職人気質のところを見せています(笑).ペンシル型で腰椎穿刺をされている先生はおりますか?
Eur J Neurol. 2020 Jan 29. doi: 10.1111/ene.14158.

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