コラム

神経所見・検査所見

2019.06.07

冲中重雄先生の「神経疾患の検査と診断」@金曜講義

今朝の勉強会(金曜講義)はみんなで「復刻版 神経疾患の検査と診断」というDVDを見ました.日本の脳神経内科学を確立した冲中重雄先生(写真A)が昭和34年(1959年)に制作した神経診察に関するビデオです.私はこのビデオが大好きで時々見直します.撮影法,例えばアングルや見やすさは素晴らしいですし,なにより60年前の診察に時代遅れの感はまったくありません.診察道具はいまと同じですが(写真B),むしろ現在より工夫に富んでいます.例えば小脳症候の診察では,通常の診察のほかに,「指叩き試験」として二重丸で書いた指標をなるべく早く叩いてもらう診察(写真C)や,十字の交点をサインペンの先で叩いてもらい,そのズレをみる診察(写真D),さらにその紙を叩く音を録音し,音の間隔や大きさの不規則さで失調の程度を定量化しています(写真E).見たことのない道具まで出てきます(写真F).残念ながら神経診察は60年もの間,進歩していないのだなと思います.みんなも「初めて見る徴候だ」「今でもまったく古くない」「気合が入ったつくり」と驚愕していました.

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