コラム

神経所見・検査所見

2018.09.21

金曜講義――トレンデレンブルグ徴候と墜下性跛行

今朝の金曜講義では歩行異常シリーズのひとつとして,墜下性跛行(もしくは墜落性跛行,トレンデレンブルグ歩行,fall-limping)とトレンデレンブルグ(Trendelenburg)徴候の動画を検討しました.トレンデレンブルグ徴候は,患肢で片脚立ちをしたとき,健肢側の骨盤が下がる現象で,股関節障害の診察法のひとつです.一方,墜下性跛行は,歩行の立脚相に上体が外側方に傾斜する歩き方で,硬性と弾性に分類されます.硬性墜下性跛行は片脚の短縮によるものです.弾性墜下性跛行は,患肢で荷重時に骨盤を固定する力が弱く,健側の骨盤が下降してしまう跛行です.先天性股関節脱臼,内反股,中殿筋麻痺(上殿神経支配)などによって中殿筋の筋力が弱い場合に見られます.跛行を認める場合で腰の高さが上下するときには股関節障害を疑う必要があります.動画はYouTubeより.

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