朝のミーティングで，ミオトニアについて議論しました．これは収縮した筋が弛緩しにくくなる現象です．母指球の叩打（こうだ）により，母指の対立が起こったり，舌の叩打によって舌のクローバ状変形がおこる「叩打性ミオトニア」があります．前腕の筋を叩打しても起こります．握った手指が開きにくい「把握性ミオトニア」もあります．これらの徴候を認める場合，筋強直性ジストロフィーを疑います．常染色体優性（顕性）遺伝形式ですが，母親からの伝達（maternal transmission）で表現促進現象が顕著です．患者さんご本人だけでなく，CTGリピートがより伸長した子供の不整脈のチェックは突然死防止のために不可欠であることを強調しました．また筋強直を改善する薬剤（プロカインアミド，フェニトイン）は心伝導障害を悪化させるので注意します．動画はYouTubeで公開されているNEJMvideoより．