コラム

医療と医学

2020.06.24

自分で食べられる工夫

カンファレンスで,筋萎縮性側索硬化症(ALS)のような病気のため,上肢の筋力が低下し,食事に時間がかかってしまったり,疲れてしまったりする患者さんに対してできる工夫について説明をしました.時間がかかると他者による食事介助を要するようになりますが,当然,みんな他人の力を借りずに自分で食べたいのです.まず簡単にできる工夫は,食事台の高さをアップし,食べ物を口に近くすることです.そして手首を装具で固定すると食べやすくなります.柄の部分が太いスプーンも役に立ちます.以前,仲間と一緒に作ったスライドですが,PSG(Portable Spring Balancer)やBFO(Balanced Forearm Orthosis)といった特殊な装具を使えば,わずかな力でも自身の腕を動かすことができます.また食器の位置を変えることも厄介ですが,ターンテーブルを使えばできるようになります.自分で食べられることは本当に嬉しいと患者さんから何度も伺いました.ぜひこういった工夫を困っている患者さんに教えてあげてください.

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