標題のテーマはしばしば議論されてきたことですが，決定版と言える論文がAnnals of Neurology誌に報告されました．著者らは，急性期脳梗塞に対する50の第3相臨床試験を対象として，その前段階に遡って，それぞれの薬剤の早期臨床試験と動物実験の3者において，研究デザイン，出版バイアス, 検出力(power), true report probabilityについて比較しています．その結果，単に動物実験と臨床試験は異なるというだけでなく，3者それぞれに違いがあることを明確に示しました．脳卒中の基礎研究に携わってきた者として予想されたこととは言え，ここまで明確な差をデータとして示されると衝撃を受けます．今後，とても重要な論文になると思います．というのは，この結果は脳梗塞研究に限定されるものではなく，他の神経疾患の創薬においても有益な教訓となるためです．ブログではデータの解説と，これからの動物実験で考えるべき点について議論しました．
Schmidt-Pogoda A et al. Ann Neurol 2020;87, 40-51.

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