課題1: 記憶•学習における情報処理の制御機構の解明

 記憶・学習時において時空間特異的に特定の細胞集団が活性化を示すことが重要になる。正確なタイミング・位置で各細胞の活性化の誘導・維持・分解などがなされることが必要になる。

 Arc-dVenus トランスジェニック (Tg) マウスおよびその発展系ではそうした現象を蛍光タンパク質などで明確に可視化できる。これらのTgマウスを基盤として、活性化される細胞集団の時間・場所を制御する機構を明らかにする。また、解析の中で新規現象などを捉え、それらの解析も進めたいと思う。





課題2:  精神・神経疾患の原因解明

 記憶・学習などにおいて課題1に記述したように活性化される細胞集団の時間・場所の正確な調節が必要になるが、それらの破綻は精神・神経疾患に繋がると考えられる。既に、Arc-dVenus Tgマウスと様々な精神・神経疾患モデルマウスと組み合わせることで、活性化パターンの異常などが報告されている。

 今後、未だに不明な点の多い精神・神経疾患は多々あるので、遺伝子工学的手法や組織学的手法などを用いて、それらの病気のメカニズムの一端を解明したいと思われる。

 ただし、ヒトなどの霊長類とマウス・ラットなどの生物においては脳構造が大きく異なりどの程度まで高次の精神・神経疾患にアプローチできるのかが不明ではあるが、可能なところまで研究したいと思われる。

 

 


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