老年看護学

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2015年03月13日 更新
平成26年度 卒業論文発表会  

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分野の特色・活動

高齢化・少子化や小家族化の早い進行により、あと10年(2020年以降)もすると、年に150万人もの方が亡くなる時代がやってくると言われています。また、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年以降は、消費文化や都市化を経験した戦後を象徴する世代が高齢者となり、この世代の抱える高齢者問題は、これまでの問題とは形を変えてくることが予測されます。

老年看護学分野では、高齢者ケアをどのように進歩させていくのかを考え、教育・研究そして社会活動を行っています。

具体的には、ケアの対象者である高齢者を正しく理解することを主眼に、単に人間としてのニーズを理解するのではなく個別性を尊重し、老いの影響を受けながら非合理性の中で生きている高齢者と、寄り添い理解していくことを大切にしています。そして、高齢者の持てる力を活かしたケアのあり方に関する研究にも、取り組んでいます。認知症を有する人へのケアの課題は、大変重大であり、老年看護学の果たす役割も大きいと思っています。

これらの課題への取り組みとして、次のような活動をしています。

  • 「高齢者疑似体験」体験会の開催(随時)
  • 「キネステティクの概念を取り入れた身体の動かし方」の勉強会(随時)
  • 「認知症に関わる知識の普及・啓蒙活動」:認知症サポーターの養成
  • 医療現場における認知症のある高齢者の「持てる力」を活用したチームケアのあり方を考えるための事例検討会

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分野の教育内容

老年看護学は、人の「老い」や「健康」を基盤に、高齢者が有意義な人生を送るための支援の必要性や、その具体的方法について学ぶ学問です。活動の場は、単に医療現場のみに限定されるのではなく、広く生活の場にまで及びます。学習は、老いることへの理解から始まり、人生の終焉である死への関わりまでと非常に広範なもので、それぞれの場面、状況で必要な理論や実践方法について、関連領域を含めて学習します。

必修科目 老年看護論 老年看護学の基盤となる「老いを生きる高齢者」を理解するとともに、高齢者が「その人らしく最後まで生きる」の実現を支援するための老年看護学の機能と役割について考えます。
成人・老年病態論Ⅲ 老年期における病気のとらえ方、高齢者に多い疾患と病態について学びます。
老年看護方法Ⅰ・老年看護方法Ⅱ 私たちが知らない世界や歴史を体験し、生き抜き、今あるこの時代を創ってきた人、そして、今ケアの対象となっている高齢者を理解し、「老いを生きる」を支えることはどういうことなのかを考えます。また「その人らしく最後まで生きる」を支援するために、できる限り新しい知見に基づき、論理的な思考過程の展開のもと、高齢者ケアが実践していけるよう基本的知識と看護技術を習得します。
老年看護学実習Ⅰ 老人介護施設で生活している認知症を有する高齢者との関わりをとおし、認知症を理解するとともに、さまざまな職種が連携して、その高齢者の生活の質を高めるよう活動している現状を把握し、家族への支援を含めた看護の役割を学びます。
老年看護学実習Ⅱ 人生の完成期である高齢者を総合的にとらえ、その人の持てる力や老化、健康障害による生活上の問題を把握し、その人の価値観を尊重したケアを修得します。この実習は一般病院で、パートナーシップナーシングの考え方を取り入れ、学生による「ペア実習」を実施しています。
統合実習(選択学生を対象)

統合実習のテーマとしては、2つの課題を取り上げています。

  • 高齢者の急性期医療を担う医療施設の特徴と看護について考える。
  • 高齢者施設におけるケアの特色を知り、看護師の役割について考える。
卒業研究(選択学生を対象)

これまでに取り組んだ研究課題

  • 居宅で認知症高齢者を抱える家族の負担感に関する研究の現状と課題
  • 認知症の人を介護する家族の気持ちに関する文献検討
  • 認知症を有する家族をもつ家庭の経済的負担と介護保険
  • 介護服が患者に与える心的影響と抑制中のケアについて考える
  • 脳梗塞後のリハビリテーション中に表出された患者の思いの分析と看護師に求められるケア
  • 意思疎通困難な高齢患者をケアする看護学生が抱く感情や意思
  • 老年看護学実習における学生の表出する感情について
  • 看護学生による転倒既往がある高齢者の歩行時の見守りの実態 -シニアシミュレーションを活用しての実験‐
  • 認知症高齢者の表出する表情について -音楽療法のある日・ない日の表情表出の実態-
  • 施設で過ごす認知症高齢者が表出する感情に関する一考察
選択科目 認知症と看護 老人性認知症の介護と予防について、知的機能障害からのアプローチから、早期認知症の予防と改善プログラムとして脳リハビリテーションの実際について学びます。また、認知症高齢者対応型共同介護(グループホーム)での看護の実際について学びます。

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研究内容

老年看護学分野では、高齢者のQOLを維持・向上するために、その「持てる力」を重視し、「その人らしい生活の維持」を目指したケアに関する研究を行ってきました。特に認知症を有する高齢者ケアに関する研究は、介護施設における認知症ケアばかりではなく、一般病院における認知症ケアをどう進めていったらよいのかを明らかにしようと取り組んでいます。臨床現場で蓄積されている認知症ケアに注目し、それを言語化していくことで、看護実践の質の向上に貢献する教育・研究活動を、今後も推進していきたいと考えています。

また平成25年度から、老年看護学実習にパートナーシップナーシングの考え方を取り入れ、学生による「ペア実習」を実施しています。高齢者ケアを担う看護職者には、病態的、身体機能的、精神的、社会的な側面から、高齢者を総合的にアセスメントできる観察力が必要です。この実習は観察力の訓練にもつながり、老年看護教育方法に関する研究の一環として取り組んでいく予定です。

 

これまでに科学研究費補助金の助成を受けた研究(平成27年3月現在実施中を含む)は、次の通りです。

  • 科学研究費補助金基盤研究C 平成25-28年度『医療現場における認知症高齢者の「持てる力」を活用したチームケアのあり方』:松波美紀、温水理佳、吉川美保
  • 科学研究費補助金基盤研究C 平成24-27年度『BPSDサポート尺度によるアウトカムと認知症ケア充実感と職務満足と離職意向の関係』:小木曽加奈子
  • 科学研究費補助金基盤研究C 平成22-24年度『急性期医療における認知症高齢者の「持てる力」を活用した看護ケアプログラムの開発』:松波美紀
  • 科学研究費補助金若手研究B 平成19-20年度『認知症高齢者のQOLを高めるための被服行動への介入研究』:温水理佳
  • 科学研究費補助金萌芽研究 平成16-17年度『高齢者の“持てる力”を活用した生活援助技術の開発に関する研究』:松波美紀

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メンバー紹介

  • 松波美紀 教授
  • 小木曽加奈子 准教授
  • 小島愛子 助教

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大学院看護学専攻 老年看護学分野

老年看護学分野では、研究にあたって看護の実際の場に赴き、看護の対象者との相互行為を通した現象の中からその意味を考え、それを言語化していくことを大切にしています。これまでに介護老人保健施設での看取りについて(平成24年修了)や、医療施設における身体拘束について(平成24年修了)などのテーマを取り上げてきました。研究の結果、実際に該当する病院で身体拘束が減少するなど、臨床現場に浸透し質の向上にも貢献できていると考えます。

 

修了した院生の研究テーマ

  • 介護老人保健施設で働くケア実践者の看取りケアへの思い
  • 一般病院で高齢患者に実施されている身体拘束に対する看護師の意識

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