研究紹介

研究紹介

われわれのグループでは、糖尿病、内分泌代謝疾患、膠原病の克服に向け、臨床研究、基礎研究、データサイエンス研究に精力的に取り組んでいます。特に、“From Bed to Bench, Back to Bed”(ベットサイドで生じた疑問を研究テーマとして知見を創出し、最終的にはより良い医療の提供を目指す)をモットーに臨床還元を強く意識して研究をおこなっています。したがって、臨床で遭遇した興味深い症例について、丁寧に分析し、症例報告として国際的な医学雑誌への発表も精力的に行っています。真理の探究を通して、新たな知見を創造に取り組んでみたい博士研究員、大学院生、研修医、学部学生を大いに歓迎します。

1.糖尿病に代表される生活習慣病に関する研究

2017年の国民健康・栄養調査の結果から「糖尿病が強く疑われる人」は1,000万人に上り、2012年の前回調査と比較して約40 万人増の過去最多を更新する結果となりました。また、高齢者ほど「糖尿病が強く疑われる人」の割合が高く、超高齢化を迎えたわが国では今後、糖尿病患者がなお一層増加します。このような背景から、糖尿病関連の医療費増大は、日本経済に大きな影をおとしています。例えば、糖尿病腎症は透析導入の原疾患第1位として毎年約1万5000人の新規導入患者を生む原因となっており、透析に関連する医療費(年間400~500万円/人)を考慮すれば、あらゆる角度から糖尿病研究を活性化し、糖尿病の発症・重症化を抑制する最善策を創出することが喫緊の課題であります。

1-1. 成因及び病態に関する分子生理学的研究: “膵β細胞量の分化・増殖を理解し、発症・重症化阻止につなげる”

膵β細胞からのインスリン分泌の障害は糖尿病の発症や重症化を阻止するうえで克服すべき重要な課題です。特に日本人を含む東アジア人は、他民族と比してインスリン分泌量が低いためインスリン分泌障害の問題はなお深刻です[1,2]。インスリン分泌量は、個々の膵β細胞がインスリンを分泌する能力(膵β細胞機能)と膵β細胞の絶対量(膵β細胞量)の2つの因子により規定され、前者は分子レベルで研究が飛躍的に進み、多くの治療薬が開発されています。一方、膵β細胞量については、糖尿病患者で膵β細胞量が減少することが報告され、その重要性は明確ではありますが、膵β細胞量調節の分子基盤の全容は依然不明であり、膵β細胞量を標的にした糖尿病の予防や治療の方法も一切存在しません。我々のグループでは、膵β細胞の分化や増殖の制御機構を明らかにすることでiPS細胞技術なども用いて膵β細胞量を効率的に増やし、糖尿病の発症や重症化を予防できる方法論の創出を目指します[3]。

  1. Yabe D, Seino Y. Lancet Diabetes Endocrinol. 2016; 4(1):2-3. [Review]

  2. Yabe D et al., Curr Diab Rep. 2015; 15(6):602. [Review]

  3. Kieffer TJ, Yabe D et al., J Diabet Investig. 2018; 9(3): 457-463 [Review]

1-2.成因及び病態に関する分子遺伝学的研究

糖尿病と診断した場合には、その成因についても必ず検討する必要があります。糖尿病の成因に様々な程度で係わる糖尿病の遺伝素因を正しく診断することは、患者一人のみならずその家族についても、病態に適した治療法の選択と予後の改善につながります。若年発症糖尿病 (MODY: maturity-onset diabetes of the young)は、単一遺伝子の変異によって糖尿病を発症する単一遺伝子疾患の糖尿病であり、常染色体優性遺伝形式をとり、膵β細胞の機能低下により、若年でインスリン分泌不全型の糖尿病を発症します。MODY遺伝子は、現在まで1~14まで報告されていますが、日本で複数家系での再現性があり確立されているのはMODY 1, 2, 3, 5, 6です。MODYの典型例は、当初発端者あるいは家系内の少なくとも1人の罹患者が25歳以下の若年発症で、3世代以上の濃厚な家族歴を有する痩せ型の糖尿病症例とされてきました。我々は、日本人の MODY5, 6 では低浸透率の病態が少なくないことを明らかにして、現在のMODY診断基準は適切でないことを報告し、独自の調査基準(家族歴では 3世代以上を必須とせず、2世代例や弧発例も対象)を新たに設定しました。そして症例を蓄積することによって、概ね35歳までに糖尿病を発症し、著明な肥満歴がなく、インスリン分泌能の低下した膵島自己抗体陰性の症例を見た場合に、MODYを疑う必要があることを明らかにしました。欧米では、MODYが疑われる症例の8割に既知MODY遺伝子変異が検出されていますが、日本人においては3~4割程度しか検出されず、未知の多くのMODY遺伝子の存在が推測されています。

我々は原因遺伝子が未知のMODY様家系を約400家系以上所有しており、臨床情報に基づくサンプルの亜分類とともに、連鎖解析、トランスクリプトーム、エクソーム、レギュローム等を組み合わせた方法で未知MODY遺伝子を探索しています。既知MODY蛋白は互いに密接に連携した転写因子ネットワーク「膵島機能ネットワーク」を構成しています。従って、臨床像が類似する未知MODYの原因遺伝子も、同ネットワークに属する転写因子または標的分子をコードすると推定しています。

一方我々は、超高感度質量分析器に世界初の2型糖尿病感受性遺伝子カルパイン10(CAPN10)を供して解析を進め、微小管結合蛋白(MAP1B)が標的基質であることを見出しました。そしてCAPN10欠失マウスを用いた解析の結果、CAPN10の発現の低下によりMAP1Bの切断が障害され、微小管機能とアクチン再構築の障害が起こり、インスリン分泌異常が起こることを見出しました。

新規MODY遺伝子同定によって、未知のインスリン分泌不全機構が分子レベルで明らかになり、新たな創薬標的となるばかりでなく、その知見はインスリン分泌不全を特徴とするコモンの日本人2型糖尿病(T2DM)の病態解明や治療に展開できることは疑いありません。近い将来、MODYなど単一遺伝子異常型糖尿病に関連する遺伝子解析がコモンの多遺伝子異常型糖尿病T2DMの遺伝学的洞察を得るための最も有益な手段となると考え研究を進めています。

単一遺伝子異常による糖尿病
  1. Horikawa Y, et al. Nat Genet 17:384- 385, 1997.

  2. Horikawa Y. J Diabetes Investig 9: 704-712, 2018. [Review].

  3. Horikawa Y, Enya M. Curr Diab Rep 19: 12., 2019. [Review].

多遺伝子異常による糖尿病
  1. Horikawa Y, et al. Nat Genet 26: 163-175, 2000

  2. Yasuda K, Miyake K, Horikawa Y, et al. Nat Genet 40: 1092-1097, 2008.

  3. Hatta T, et al. Sci Rep 8:16756, 2018

※厚生労働科学研究費補助金事業(難治性疾患等克服研究事業)
MODY1-6の病態調査と識別的診断基準の策定(H23-難治-一般-101)研究アンケート報告(PDF:668KB)

1-3. 栄養学的予防・治療に関する研究: “食を科学し、生活習慣病の予防と治療に役立てる”

栄養について深く考察することは、生活習慣病の予防、治療はもちろん、近年注目されるサルコペニアやフレイルの予防にもきわめて重要です。当教室は栄養を軸に、脳や消化管など種々の臓器の代謝制御機構や臓器連関を分子レベルで明らかにすると共に、得られた知見を臨床に役立てる研究を精力的に行っています。

糖質により活性化される転写因子ChREBPの研究

グルコース、スクロースやフルクトースなどの糖類の過剰摂取は、肥満、脂肪肝、脂質異常症、糖尿病、過敏性腸症候群に関与するとされています。当教室では、糖類により活性化される転写因子ChREBPが上記病態に関与することを明らかにしてきました [1,2,3]。ChREBPは肝、小腸、腎臓、脂肪組織、膵β細胞、骨格筋で高発現であることから、インクレチン分泌、サルコペニア、腸内細菌との関連について研究しています。

  1. Iizuka K. Endocr J. 2013; 60:543-55. [Review]

  2. Iizuka K. Biochim Biophys Acta Mol Basis Dis. 2017;1863: 474-485. [Review]

  3. Iizuka K. Nutrients. 2017;9. pii: E181. [Review]

インクレチンの分泌や作用に関する研究

インクレチン(GLP-1、GIP)は、食事に含まれるさまざまな栄養素が刺激となり消化管から分泌され、膵β細胞からのインスリン分泌を増強するほか、多彩な働きを持つホルモンです [1]。当教室では食事に含まれる栄養素の内容やその摂取順がインクレチン分泌に影響することを世界に先駆けて発見、現在、糖尿病の食事療法として幅広く実践されるにいたります[2]。また、動物モデルや培養細胞をもちいて栄養素によるインクレチン分泌の制御機構に取り組んでいます [3]。

  1. Yabe D, Seino Y. Curr Opin Pharmacol. 2013; 13(6): 946-53. [Review]

  2. Kuwata H, Yabe D, et al. Diabetologia. 2016; 59:453-61.

  3. Liu Y, Yabe D, et al. FASEB J. 2019 (doi: 10.1096/fj.201801783RR).

1-4. 新規治療法の開発と安全性・有効性に関する研究: “新規治療薬を生み、育てるサイエンス”

糖尿病、脂質異常症に代表される生活習慣病の新薬開発は飛躍的に進歩しましたが、実臨床下で新薬を安全かつ有効に使うための議論はきわめて重要です。当教室では、基礎研究、臨床研究やデータサイエンスからエビデンスを創出し、臨床に還元できる発信を精力的におこなっています。さらに、既存薬で解決できないアンメットニーズに対する創薬活動も積極的に展開しています。

具体的には、臨床研究を通じて、糖尿病治療薬の有効性や安全性と食事療法の関連を世界に先駆けて報告すると共に、健康保険データベースを用いて糖尿病治療薬の安全性を示しています[1-3]。また、基礎研究を通して、膵β細胞増殖、インクレチン分泌の制御機構を標的として、生活習慣病の発症予防・重症化抑制に資する新規治療法の開発に向け、化合物スクリーニングを行っています。さらに、低炭水化物食(ケトン食)の安全性や有効性、肝から分泌される脂質代謝を反映するマーカーの探索にチャレンジしています。

  1. Seino Y, Kuwata H, Yabe D. J Diabetes Investig. 2016; 7 Suppl 1:102-9. [Review]

  2. Yabe D et al, Diabetes Obes Metab. 2017; 19(5):739-743

  3. Yabe D et al, Diabetes Obes Metab. 2015;17(4):430-4

  4. Hashimoto K, Horikawa Y, et al. Diabetol Int 7: 133-140, 2015

1-5.発症予防、重症化抑制に関する疫学研究

療養指導の効果は患者間で多様であり、指導効率や方法以外に個々の感受性体質が関与することは疑いないが、実際には、療養指導は画一的に行われています。従って、症例ごとに効率的な指導効果を求めるには、個々の生活背景や感受性体質を考慮したオーダーメイド的な療養指導法の開発が必要になります。

2006年に、我々は(The Gifu Diabetes Study Group)、岐阜市において糖尿病の実態調査を行い、無作為抽出した1,070人(40歳以上)の市民について75gOGTTを実施しました。身体計測や採血検査と共に、運動や食事などの生活習慣に関する176項目(36ページ)の自記入式アンケート調査(定量的な評価が可能)を実施し、参加者のゲノムDNAも採取しました。先ず、食事療法や運動療法への応答性に関する感受性体質の個人差を特定することを試みました。アンケート調査で見積もられた摂取栄養素や運動習慣と関連して糖代謝に影響する体質マーカーを探索した結果、有意な関連を幾つかの遺伝子領域に同定することに成功しました(2015-7年日本病態栄養学会、日本糖尿病学会発表)。更に、生活嗜好を分析し、受動的であっても喫煙がインスリン分泌能を低下させることも見出しました。

我々が調査を開始した2006年から現在までの間に、健康増進のために生活習慣に対する社会の関心は大きく変貌しました。和食回帰や生活に運動を取り入れる傾向が認められる一方で、極端な低炭水化物ダイエットなど、必ずしも確かなエビデンスに基づいていない食習慣の導入も見られています。

そこで、フォローアップ調査として再度自己記入式アンケートを実施し、食事と運動を中心とした生活習慣の変化を定量的に評価します。同時に、既に同定している摂取栄養素や運動習慣に対する感受性体質マーカーについて、約10年間における生活習慣の変化が及ぼす臨床検査値や身体所見への影響を検討します。さらに、社会的ストレス、勤労環境、経済状況、教育レベルなども考慮し、感受性体質を基点として最適化した生活習慣の設計を進めていきます。

  1. Daido H, Horikawa Y, et al. Diabetes Res Clin Pract 106: 531-537, 2014.

  2. Oba S, et al. Diabetes Metab 41: 160-167, 2015.

  3. Nonoyama Y, Yamamoto M, et al. Diabetol Int.7:148-154, 2015

1-6. 患者教育・支援に関する研究: “患者の心理や生活の質に配慮した質の高い診療を可能にするために”

糖尿病に対する薬物療法の進歩する一方、食事療法や運動療法を含め生活習慣改善に向けた糖尿病教育、支援に有効な方法論は未だ十分に確立されていません。特に基幹病院が急性期化対応を迫られる中、一定の質の担保された糖尿病教育、支援をいかに均てん化するかは喫緊の課題です。私たちは、医療者と患者のコミュニケーションが十分でなく、患者の望む治療が受けられないクリニカル・イナーシアの概念提唱に加えて[1]、糖尿病カンバセーション・マップTM、自己血糖測定器を用いた糖尿病教育に関するエビデンス創出の実績をもとに[2, 3]、IoTやAIを駆使した新たな糖尿病教育、支援法の開発と普及に取り組んでいます。さらに、糖尿病教育、支援の均てん化には、地域の医療スタッフ間での情報共有が重要であり、日本糖尿病協会編 糖尿病連携手帳のより良い活用についても研究を発信しています[4]。

  1. Strain WD et al., Diab Res Clin Pract 2014; 105(3):302-12. [Review]

  2. Tanaka N et al, J Diabetes Investig. 2018; 9(5):1203-1211

  3. 矢部大介ら, 日本病態栄養学会学会誌. 2010; 13(4): 329-337

  4. Horikawa Y, et al., Diabetol Int (In press). DOI: 10.1007/s13340-018-0379-6

  5. Horikawa Y, et al., Exp Clin Endocrinol Diabetes (In press)

2.内分泌疾患に関する研究

初代三浦清教授時代から一貫して下垂体・副腎系の臨床研究、基礎研究をおこなっています。研究成果は、クッシング病に対する内科的治療(レセルピンと下垂体照射併用療法・ブロモクリプチン大量療法)の研究にはじまり、17α水酸化酵素欠損症に関する研究や原発性アルドステロン症における立位時アルドステロン増加反応メカニズム、糖尿病における低レニン性低アルドステロン症の研究、白血球ミネラロコルチコイド受容体の研究などが挙げられ、国内外で高く評価されています。また、甲状腺疾患や内分泌腫瘍の成因や治療に関する研究にも着手しています。

最近は、以上の歴史を礎として、遺伝子診断も含めた内分泌代謝疾患の確実な臨床診断と治療を目指しており、主な研究対象は以下の4点に集約されます。

  • 生活習慣病(糖尿病・高血圧・高脂血症・動脈硬化など)の分子遺伝学
  • 内分泌性・本態性高血圧症の病態解明に関する研究
  • 副腎皮質ステロイドの合成・分泌・代謝・作用機構
  • 内分泌腫瘍の病因に関する研究

前2者は、当然、糖尿病や動脈硬化も含めたもので、かなり広領域に亘りますが、endocrineがpara- そしてauto- さらにintra- crineへとその定義自体が広がった様に、対象が古典的な内分泌から脱却しつつあることを如実に示しています。臨床データとリンクしたサンプルの蓄えもあり、多方面からの検討が進んでいます。
かたや後2者はサブスペシャリティーの要素が強い領域ですが、遺伝性高血圧症の原因の一つを解明した実績・豊富な副腎腫瘍サンプルの存在は、全く新たな分子の解析を進める上でかけがえのない資源である事を痛感しています。

  1. Horikawa Y et al, Neuro Endocrinol Lett 38: 13-18, 2017.

  2. Rokutan M, Yabe D et al, Endocrine Journal 62(11):1025-30, 2015

  3. Yabe D et al, Diabetes Res Clin Pract. 102(1):e1-4, 2013

3.膠原病に関する研究: “症例報告/臨床研究から早期発見診断の手がかりを得る”

膠原病は生物製剤の登場により以前よりも予後が格段に改善された分野ですが、未だ治療が確立されていない病態も多くあります。特に、症例毎に病態や治療応答性が大きく異なることからも、患者1人1人の病態を丁寧に分析し、症例報告として学会誌に報告することも新たな治療法発見の手掛かりとして重要です。我々のグループでは、糖尿病グループと連携して、膠原病治療で頻繁に登場する高用量ステロイド治療における診断、治療の臨床研究を進めています[1,2,3]。さらに、皮膚筋炎における間質性肺炎の治療法についても研究を進めています。

  1. Mizuno M, Iizuka K et al. Diabetes Ther. 2019; 10:269-276.

  2. Iizuka K, Mizuno M, et al. Intern Med. 2015;54:1771-5.

  3. Iizuka K, Mizuno M, et al. BMJ Case Rep. 2016;2016. pii: bcr2016214788.

4.糖尿病に代表される生活習慣病、内分泌疾患、膠原病に関する症例報告

糖尿病や内分泌代謝疾患、膠原病の成因や病態の深い理解には症例を一例一例大切に分析し、自身の考察を世界に広く発信することが極めて重要です。当教室では自分の経験した症例を英語で執筆することを強く推奨しており、専門医取得までに多くの若手医師が症例報告を著明な英文雑誌に多数報告しています。論文を執筆することは、論理的に考える力を身につくるだけでなく、重要な臨床研究の着想にもつながります。もちろん、最初から論文の執筆は大変なので、スタッフ一同がきめ細かく指導します。

  1. Sakurai T, Iizuka K, et al. Intern Med. 2019;58:259-262.

  2. Horikawa Y, Enya M, et al. Diabetes Ther. 2018; 9:421-426.

  3. Sugawa T, Yabe D, et al. Intern Med. 2018; 57:3407-3412

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