研究紹介-内分泌-
 研究紹介-内分泌- 諏訪

内分泌研究の歴史;下垂体~副腎~その作用機構へ


初代三浦教授~安田教授時代は、クッシング病に対する内科的治療(レセルピンと下垂体照射併用療法・ブロモクリプチン大量療法)や、有効で副作用の少ないステロイド療法(4投3休療法)の探索と確立に始まり、デキサメサゾン抑制性高アルドステロン症(DSH)と17α水酸化酵素欠損症に関する研究、原発性アルドステロン症における立位時アルドステロン増加反応メカニズム、糖尿病における低レニン性低アルドステロン症の研究、白血球ミネラロコルチコイド受容体の研究、副腎疾患の画像診断、褐色細胞腫からのPTHrP産生、活性型及び不活性型レニン分泌メカニズムの解明、糖尿病患者の高血圧と本態性高血圧症に共通するNa代謝異常、さらに甲状腺についても、抗甲状腺ホルモン自己抗体、加齢と甲状腺機能の関係、バセドウ病発症とエルシニア感染との因果関係、等々、臨床をベースに基礎にもまたがって広く研究を行ってきました。


最近は、以上の歴史を礎として、遺伝子診断も含めた内分泌代謝疾患の確実な臨床診断と治療を目指しており、主な研究対象は以下の4点に集約されます。

前2者は、当然、糖尿病や動脈硬化も含めたもので、かなり広領域に亘りますが、endocrineがpara- そしてauto- さらにintra- crineへとその定義自体が広がった様に、対象が古典的な内分泌から脱却しつつあることを如実に示しています。臨床データとリンクしたサンプルの蓄えもあり、多方面からの検討が進んでいます。
かたや後2者はサブスペシャリティーの要素が強い領域ですが、遺伝性高血圧症の原因の一つを解明した実績・豊富な副腎腫瘍サンプルの存在は、全く新たな分子の解析を進める上でかけがえのない資源である事を痛感しています。