11 総合診療部


 近年,医学・技術・医療工学の進歩により臨床医学分野での専門化・細分化が一段と進み,患者を身体,精神,ライフスタイル等を含めた総合的な観点とプライマリ・ケアを中心とした全人的立場から捉え,総合的な医療を行える総合診療医の養成不足が危惧されている。一方,病院には紹介状を持たない患者やどの診療科を受診すれば良いのか分からない患者,或いは専門的な治療を必ずしも必要としない患者や軽症の患者を多臓器に多数有している患者など,多様性に富んだ様々な患者が来院している。
 このような状況に対応するため,平成8年7月から総合診療部を院内処置として発足させ,病院1階部分の中央放射線部に隣接して設置し,平成10年4月に省令認可された。
 総合診療部は,現在併任の副部長と外科系・内科系診療科からの応援医師及び各科ローテイト中の臨床研修医により診療が行われているが,専門診療科との緊密な連携の下に,紹介状を持たない患者や受診する診療科が分からない患者,或いは専門的な治療を必要としない患者の初診或いは再来部門を担当し,必要に応じて専門診療科への受診指導を行っている。また,教育面では学部教育における医学概論と卒前臨床実習,及び卒後臨床研修計画の立案とその進捗状態の把握,さらにプライマリ・ケア部門の教育・実習を担当し,全人的医療を行える医師の養成に努めている。
 現在,総合診療部の専任教授の選考業務を進行中であるが,助教授,講師,助手を含めた定員が揃い,医学部・同附属病院の移転・統合が完了した暁には,総合診療部は総合治療部(ICU,CCU,HCU)の窓口業務や地域医師会との生涯教育の立案と臨床実習の場として総合治療部での研修を企画し,そのマネージメントを担当する.さらに,地域医師会や地域社会との医療情報ネットワークと患者情報の提供などの窓口業務を担当し,医療情報部との緊密な協力のもとでこれら情報の管理・運行を行う予定である.