V 研究活動
1  研究内容と成果発表状況
 10基礎医学講座 (解剖学第 1 , 解剖学第 2 , 生理学第 1 , 生理学第 2 , 生化学, 分子病態学, 薬理学, 病理学第 1 , 病理学第 2 , 微生物学), 4 社会医学講座(衛生学, 公衆衛生学, 法医学, 寄生虫学), 18臨床医学講座 (内科学第 1 , 内科学第 2 , 内科学第 3 , 外科学第 1 , 外科学第 2 , 産科産婦人科学, 整形外科学, 脳神経外科学, 眼科学, 耳鼻咽喉科学, 皮膚科学, 泌尿器科学, 神経精神医学, 小児科学, 放射線医学, 麻酔・蘇生学, 臨床検査医学, 口腔外科学), 反射研究施設, 嫌気性菌実験施設, 動物実験施設及び薬剤部, 中央放射線部, 輸血部, 救急部などで活発な研究がなされている。
 各講座, 研究施設等の主な研究内容については, 次表のとおりである。
 
(1) 各講座・研究施設等の主な研究内容(平成 8 年 7 月現在)
 
基礎医学講座
解剖学第 1
1.Ca 代謝関連ホルモンに関する電子顕微鏡的研究
2.重力環境が動物に及ぼす影響についての形態学的研究
3. ヒトの血管系についての解剖学的研究

解剖学第 2
1. 感覚情報処理機構の形態学的解析
2. 小脳・前庭系神経路の形態学的解析
3. 小脳の生後発達の形態学的解析
4. 神経情報伝達機構の形態・生理・薬理学的解析

生理学第 1 ,
1. 循環生理:血圧調節系のシステム解析, 各臓器の血流調節, 各種生理活性物質血行動態および自律神経系への影響, 体液恒常性維持機構, NaCl の代謝機構, 腸管における吸収排泄に対する自律神経性調節
2. 病態生理:塩感受性高血圧の発症機序, 肝硬変時の体液恒常性維持機構の破綻機序, 循環ショック時の自律神経系異常
3. 神経生理, 神経薬理:神経伝達物質, 特に低酸素のカテコールアミン遊離機構に対する影響, 一酸化窒素の神経伝達物質遊離機構に対する影響, これらの条件が細胞内カルシウム調節機構をはじめとするセカンドメッセンジャー機構や受容体等に及ぼす影響

生理学第 2 ,
1. 血漿アルブミン分子の構造と機構及び病態に関する研究
2. 蛋白質一般の高次構造形成過程の物理化学的研究
3. 核磁気共鳴測定法による生体内における水の存在状態に関する研究
4. Magnetic Resonance Imaging における新しい撮像法開発の研究

生化学,
1. 生体膜脂質の物性並びに情報変換機構
2. 細胞増殖・分化・癌化と膜脂質代謝応答
3. 炎症・アレルギー・免疫関連細胞の機能発現機構と病態
4. カルシウム動態の分子機構
5. 病原性真菌細胞の分子生物学・生化学的研究

分子病態学,
1. 染色体分配に関与する遺伝子 aik の機能解析
2. GTP 結合蛋白質の構造と機能
3. TGF−β により誘導される遺伝子 TSC−22の機能解析
4. 新規ヒトユビキチン結合酵素遺伝子の機能解析

薬理学,
1. 病態動物の作成とその循環調節機構の解明
2. 臨床薬効評価と Therapeutic Drug Monitoring (TDM)
3. 抗血栓薬及び血管肥厚抑制薬の薬効評価
4. 骨吸収因子の作用メカニズムの解明
5. 白血球機能とそれに及ぼす薬物の影響

病理学第 1 ,
1. 消化器癌発生機構に関する実験病理学的研究
2. 癌の発生予防, 発生要因検出のための病理学的研究
3. 悪性腫瘍及び前駆病変診断の細胞病理学的研究

病理学第 2 ,
1. リンパ増殖性疾患の分化抗原, DNA の解析
2. 悪性リンパ腫の組織発生の研究
3. 自己免疫疾患発症機序の細胞遺伝学的研究
4. 腫瘍の免疫学的, 分子生物学的診断
5. 分子生物学的手法による腫瘍治療の実験的研究
6. ヒト腫瘍抗原の分子生物学的解析

微生物学
1.細菌分類と微生物の系統発生に関する研究
2.感染症の分子診断学
3. 食細胞内で増殖する微生物の分子遺伝学

 

社会医学講座
衛生学
1. 老人性痴呆に関する疫学的・社会病理学的研究
2. 振動障害・騒音性難聴に関する職業保健的研究
3. 農業労働による負担と生理的反応とくに腰痛に関する研究
4. 小児成人病に関する研究
5. 不慮の事故に関する疫学的研究

公衆衛生学,
1. 食習慣を中心としたライフスタイルと癌発生に関する疫学的研究
2. 日系米人の癌発生パターンとその背景因子に関する疫学的研究
3. 地域・職場における精神保健ならびに健康教育に関する研
4. 日本人の健康観, 医療行動, 地域医療システムに関する研究

法医学,
1. 肺を中心とする in situ 観察と各死因の法医病理学的研究
2. ショック時早期に諸臓器に発生する形態学的変化の研究
3. S I D S における肺での換気障害の形態学的変化の研究
4. 薬物代謝酵素の法医学, 組織化学的研究
5. DNA 多型に関する法医学的研究

寄生虫学
1. 宿主−寄生体相互関係の細胞生物学的研究
2. 免疫・DNA 診断法の開発
3. 感染防御免疫・ワクチン開発の基礎研究
4. 環境生物とアレルギー

臨床医学講座
内科学第 1 ,
1. 急性・慢性肝不全の病態と治療に関する研究
2. 肝壊死と再生の病態連繋とその制御機構に関する研究
3. ビタミン A 類緑化合物による癌の化学予防と分化誘導療法に関する研究

内科学第 2 ,
1. 狭心症・心筋梗塞の発症のメカニズムと治療
2. 心筋症の発症のメカニズムと治療
3. 成人の川崎病の治療
4. 肺動静脈系に関する実験的・臨床的研究

内科学第 3 ,
1. 各種下垂体疾患の診断・治療に関する研究
 a. クッシング病の病態と治療に関する研究
 b. 下垂体疾患と自己免疫機序との関連についての研究
2. 高血圧症への内分泌学的アプローチ
3. ステロイドホルモンの生合成, 作用機序に関する分子生物学的研究
4. 糖尿病と他の内分泌疾患との関連についての研究
5. インスリン作用機序・低抗性機序の研究
6. 糖尿病性神経症, 血管障害の診断・成因に対する MRI によるアプローチ
7. 抗甲状腺ホルモン自己抗体と甲状腺疾患の関連についての研究

外科学第 1 ,
1. 心臓・血管・呼吸器及び消化器外科学の臨床研究
2. 消化器及び胸部悪性腫瘍等の外科腫瘍学的研究
3. 臓器保存・移植免疫等の臓器移植の研究
4. 補助心臓等の人工臓器の研究
5. 外科的血栓止血学的研究

外科学第 2 ,
1. 内因性 LAK, CTL 誘導法の開発と受動免疫療法
2. RT−PCR 法を用いた各種癌関連遺伝子発現誘導能の研究
3. 遊離肝細胞脾内移植による肝補助法の開発と人工肝の開発
4. 血行性転移の機序と周手術期の影響の研究
5. 核 DNA, AGNORs, P53, nm23, CerbB 2, APC 遺伝子の解析と癌悪性度の研究
6. DDS を用いた targeting cancer clemotherapy の開発
7. CEA キットと癌性腹膜炎の早期診断法の開発

産科産婦人科学,
1. 婦人科腫瘍のオンコジーンと性ステロイドの関連の研究
2. 性ステロイドと増殖因子の分子生物学的研究
3. 膜レセプターの応答と婦人科腫瘍
4. 細菌フローラと婦人科病変に関する研究
5. エストロゲンによる婦人科腫瘍発生・発育に関係する機構
6. 抗菌, 抗癌化学療法
7. 内分泌療法
8. 漢方

整形外科学,
1. 健常者・運動障害例の動作分析並びに脊柱・関節バイオメカニクスに関する研究
2. 同種骨・軟骨・人工材料による関節置換に関する基礎的・臨床的研究
3. 骨の細胞動態機能並びに骨量減少防止に関する基礎的・疫学的研究
4. 悪性骨軟部腫瘍の治療に関する研究
5. 関節リュウマチの病態に関する免疫学的・生化学的研究
6. 骨関節感染症に関する研究
7. 末梢神経損傷に関する研究
8. 各種薬剤の長期投与による骨・軟骨代謝への影響

脳神経外科学,
1. 悪性脳腫瘍の治療に関する研究
2. 脳血管攣縮の成因, 病態及び治療に関する研究
3. 脳虚血と脳保護に関する研究
4. Photodynamic therapyによる悪性腫瘍治療に関する研究
5. ウイリス動脈輪閉塞症の成因並びに脳循環動態に関する研究
6. 新しい画像解析法の臨床応用

眼科学,
1. 緑内障性視神経障害の病態生理に関する研究
2. 緑内障手術における代謝桔抗剤の応用に関する研究
3. 眼内血液循環に関する生理学的及び形態学的研究
4. 各種レーザーの眼内組織に及ぼす影響に関する形態学的研究
5. 眼底疾患への画像解析法の応用による新しい治療法の開発

耳鼻咽喉科学,
1. めまい・平衡障害の基礎的・臨床的研究
2. 平衡訓練に関する研究
3. 平衡機能の発達と加齢変化に関する研究
4. 宇宙における錯覚・失認対策法に関する研究
5. 耳鼻咽喉科疾患の免疫反応における細胞応答についての研究
6. 耳鼻咽喉科腫瘍に関する基礎的・臨床的研究
7. 耳鼻咽喉科感染症に関する基礎的・臨床的研究

皮膚科学,
1. 自己免疫性水泡症の発症機序とシグナル伝達
2. 先天性表皮水泡症の分子生物学的研究
3. 表皮細胞の細胞骨格と細胞接着の正常と異常
4. 表皮細胞の角化制御と細胞内情報伝達機構
5. 強皮症線維芽細胞の細胞内情報伝達機構の生化学的研究
6. 乾癬培養ケラチノサイト及び線維芽細胞の相互作用についての実験的研究
7. 皮膚悪性上皮性腫瘍及び間葉系腫瘍の起源細胞についての免疫組織学的及び免疫細胞学的研究
8. 皮膚真菌症と病原性真菌の電顕と生化学的研究

泌尿器科学,
1. 尿路感染症の基礎的・臨床的研究
2. 性行為感染症の診断法の改良に関する研究
3. 尿路・性器腫瘍における腫瘍マーカーの確立に関する研究
4. 尿路・性器腫瘍の化学療法に関する基礎的・臨床的研究
5. 腎不全治療における臨床的研究

神経精神医学,
1. 精神分裂病, 躁うつ病, 非定型精神病の精神病理学的研究
2. 登校拒否, 摂食障害, 自閉症など児童・青年期の精神医学的諸問題に関する研究
3. 老年期の精神障害に関する研究
4. 心身症及びリエゾン精神医学に関する研究
5. アルコール・薬物関連障害並びに精神保健に関する研究

小児科学,
1. 先天性免疫不全症の病因病態に関する遺伝子学的研究
2. アレルギー疾患発症に関する免疫学的, 遺伝子学的研究
3. 遺伝性ムコ多糖症の遺伝子レベルでの研究
4. ペルオキシソーム病の遺伝子レベルでの研究
5. 有機酸代謝異常症の遺伝子レベルでの研究

放射線医学,
1. 消化管悪性腫瘍の X 線診断及び前臨床期癌の効率的集団検診法の開発
2. 早期肺癌の X 線診断及び肺がん集団検診法の開発
3. 画像診断法 (X 線, RI, HR, CT, US, MRI) による早期肝癌の診断法の開発
4. Interventional Radiology の臨床応用
5. 難治性癌に対する放射線治療を主体とした集団的治療法の開発
6. 核医学による脳機能測定, 悪性腫瘍の診断

麻酔・蘇生学,
1. 麻酔・ストレス中の呼吸・循環反射に関する臨床的研究
2. 脳・脊髄循環に対する麻酔及び関連薬に関する研究
3. 麻酔・疼痛のシグナル伝達とその制御機構に関する神経化学的研究
4. 新しい心肺・脳蘇生法の開発に関する研究
5. 心臓機能モニターの開発

臨床検査医学,
1. 血清リポ蛋白 (a)の生理的及び病態的意義について
2. 血清リポ蛋白及びアポ蛋白代謝について
3. 癌の免疫組織化学的研究
4. 臨床化学検査の測定法について
5. トリプトファン代謝と脳神経系との関連性について

口腔外科学
1. 骨代謝に関する研究
2. 顎関節症の発症原因に関する研究
3. 骨肉腫における化骨機転に関する研究
4. 炎症性骨吸収に関する研究
5. 腫瘍による間接的骨吸収について

救急部
1. 救急疾患に関する臨床的研究
2. 大動脈瘤発生および破裂に関する研究
3. 急性動脈閉塞症に関する基礎的・臨床的研究

薬剤部,
1. 医療品製剤の薬剤学的評価
2. 院内特殊製剤の開発とその臨床応用
3. 薬物の生体内動態
4. 薬物相互作用

施設
反射研究施設,
1. 前庭・自律神経反射に対する無重力模擬実験, 特に脳循環を中心とする宇宙生理学
2. 前庭・姿勢・動眼反射の大脳・中枢性機序の研究
3. 髄意運動の高次運動領による調節機序の解明
4. 左右大脳皮質の強調機構の生理的・薬理的研究
5. 定常磁場の神経活動に対する作用の解明

嫌気性菌実験施設,
1. 嫌気性菌と固有細胞叢
2. 嫌気性菌の潜在的病原性
3. 嫌気性菌感染症の細菌学・診断法
4. 抗嫌気性菌作用のある化学療法薬
5. 嫌気性菌による院内感染

動物実験施設,
1. 発癌, 特に消化器系臓器の発癌の研究
2. 発癌過程におけるギャップ結合, 細胞間連絡の役割に関する研究
3. 肝細胞初代培養を用いた, 癌原物質, 変異原物質のスクリーニング
4. 発癌の化学予防の研究
5. 抗酸化物質の検索とその発癌修飾作用の研究